以前の記事で、Emacs 25.1をビルドして使う記事を紹介したが、2017/4/21にEmacs 25.2が公開された。そこで、msys2環境のEmacsを25.2にバージョンアップしたので備忘録を残す。
msys2にEmacs 25.1をインストールしてなくて初めてインストールする場合は、下記記事を参考に、Emacsに関連するパッケージをインストールする必要があるので、一度emacsパッケージをインストールして削除しておく。
ソースと日本語IMEパッチを入手し、msys2上でビルドして使う。
ソースファイルの入手
http://ftp.gnu.org/gnu/emacs/
上記サイトから、emacs-25.2.tar.xz
ファイルを取得
https://gist.github.com/rzl24ozi
上記サイトから、emacs-25.2-w32-ime.diff
ファイルを取得
Emacsソースファイルの展開とIMEパッチの適用
msys2のコンソール(私はmingw32.exe)から、上記で入手した2つのファイルを任意のフォルダに置き、下記コマンドを実行。
$ tar xvf emacs-25.2.tar.xz
$ cd emacs-25.2/
$ patch.exe -p0 < ../emacs-25.2-w32-ime.diff
ビルド
autogen.shとconfigureの実行
$ ./autogen.sh
$ CFLAGS='-Ofast -march=x86-64 -mtune=corei7 -static' ./configure --without-dbus --without-compress-install --with-modules
makeの実行
$ make bootstrap
インストール(以前のバージョンがある場合はアンインストールしておく)
$ make install-strip
msys2の各環境binフォルダ(c:/msys64/mingw32/bin
)にインストールされる。
案外素直にビルド出来た。
アンインストール
アンインストールしたい場合は、ビルドしたフォルダで下記コマンドを実行。
$ make uninstall
Emacsの起動
msys2のコンソールから、下記コマンドでバージョン確認できる。
$ emacs --version
GNU Emacs 25.2.1
Copyright (C) 2017 Free Software Foundation, Inc.
GNU Emacs comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY.
You may redistribute copies of GNU Emacs
under the terms of the GNU General Public License.
For more information about these matters, see the file named COPYING.
Emacsの起動は
$ runemacs
尚、Emacsの終了は
C-x C-c
コマンドから抜けるには
C-g
Emacs初期設定ファイル(~/.emacs.d/)
私の使っているEmacs初期設定ファイル一式(~/.emacs.d/
)はGitHubに公開登録しGit管理しているので、それを下記コマンドでホームディレクトリにコピー。尚、macOS, msys2(Windows), Ubuntu(Linux)で共用。
Emacs 25.2でもそのまま利用できた。
$ git clone https://github.com/jr4qpv/dot.emacs.d.git ~/.emacs.d
補足
- ビルドは、マシン性能にもよるが1時間くらいかかる。
- msys2では、emacsパッケージが利用できるが、試してみると私の環境では日本語入力が不便だったので、日本語IMEパッチをあててソースからビルドした。
参照記事
- 【Windows/msys2】Emacs 25.1を使う
- msys2でWindows上でのビルド環境をつくる
- 【Windows/msys2】EmacsをServerで自動起動(emacsclientで高速化)
- 【Emacs 25】初期設定ファイルをGitHubに公開
- 【Emacs 25】macOS, Windows, Ubuntuで共通なエディター環境を構築(まとめ)
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